2007年初春、ブリティッシュ・エアウェイズの

飛行機。とっくに消灯され、あらかたの客がぐっすり眠る頃、とにかく激しい空腹でどうしても眠れない。
機内はだいたい到着地の時間に合わせて消灯したり食事を出したりするので、それについていけなかったのかもしれない。

と、すこし前の方で、何やらカップ麺を持ってふらふらしている乗客がいる。なんか、カップ麺もらえるんじゃないの。え、まじで。すぐ行く。
給湯室エリアに行くと爽やかな外人がニコニコとカップヌードルシーフード味にお湯を入れて渡してくれた。
自席で静かにすする。
空腹もあいまって、もう、物凄く旨い。旅行中ぜんぜん気にならなかった「日本の食べ物への懐かしさ・愛おしさ」が爆発する。ほとんど泣きながら食べる。

気がつくとそこかしこで麺をすする音がし、シーフードヌードルの匂いが充満する。寝ている人もシーフードヌードルの夢を見ているに違いない。我々は一丸となってシーフードヌードルを食べた。とても静かに、無心に、泣きながら、日本へ向かいながら。