暑中見舞

平日昼間にインターフォンがなり、アマゾンかなと思って出たら「お忙しいところすみません」と言われた。生命保険のセールスの人だった。

出てしまった流れでやむなく「暑い中たいへんですね」と言う。

暑い中歩き回り、知り合いでもない人の私有地に入り、何度も「結構です」と突っぱねられ、ときにはひどい目にあったりするのだろうから、実際たいへんだと思う。

 

生命保険は総合型で、20代で5千円台ですよ、とのことだった。

残念ながらわたしは30代だし、いまの契約先を気に入っているし、いまの保険料は3千円なので、契約するわけがなかった。

というか、軒先に見知らぬ人が来たぐらいのことで、生命保険に入ったり(ましてや、乗り換えたり)する人がいるのだろうか。ちょっと信じられない。死亡保険ならわからなくもないが、総合型は比較しづらいし、そもそも何を保障してくれるのか理解するだけで時間がかかる。たぶん玄関先では無理な話です。

 

みたいなことは大きなお世話だと思うので、「いや今ので満足してます」と断った。

 

すると、生命保険をすすめるお仕事をしてくれる方も募集中です、いかがですか。といわれた。

絶対にいやだし、絶対にいやだ。あなたもやめた方がいいですよ。この暑い中、私有地に入っていき、玄関先で生命保険の売り込みをさせるなんて、あなたの雇用主は正気ではないか、とても非常識かのどちらかではないでしょうか。

 

みたいなことは大きなお世話だと思うので、「暑いので、お気をつけて」とだけ言って見送った。

 

本音をきちんと伝えるには暑すぎる。たぶんあの生命保険にも何かしらウリがあるのだろうけど、全然言わなかったな。求人については資料さえ置いていかなかった。たぶん暑かったんだろう。暑い。あと、暑い。